What is Slack Key Guitar?

ここでは少しでも多くの方にスラック・キー・ギターを楽しんでいただけるように、 スラック・キー・ギターの基礎的なことを書いてみました。
とにかく、スラック・キー・ギターは難しいことは抜き、ギターを手にしてポロンポロン、 気分をリラックスして楽しんで下さい。(解説:山内雄喜)
スラック・キー・ギターとは・・・
「スラック・キー・ギターって何?」
「そうだね、ひと言で言うならハワイで生まれたギター奏法のことだよ」
「エー!スラック・キー・ギターって言うから、てっきりウクレレのようにハワイで生まれた特殊な形のギターなのかと思ったけど、ギターの弾き方だったんだ。じやあ、普通の一般的に和られているギターの弾き方とどこが違うのかなァ」
「どこが違うといわれても困るけど…、まず、一般的なギターと同じように左右の指はもちろん同じように使うし、そして、これまた一般的なギターと同じようにナイロン弦やステイール弦を張ったアコースティック・ギター、あるいはセミ・アコやソリッドのボディーのエレキ・ギターなど、ギターと名のつくものならどんな種類のギターを使っても構わないんだ。
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まず、この自由さがスラック・キー・ギターの一番重要なポイントのひとつと言えるかな…」
「フーン、そうなんだ。じゃあスラック・キー・ギターってどうやって弾くの?」
「うん、スラック・キーで使うギターの選択が決まったら、次がチューニングということになる。ココがスラック・キー・ギターの第二の重要なポイントなんだ。チユーニングは一般的に知られているギターのチューニングとしては6弦より"EADGBE"としいうチューニングがあるけど、このチューニングはハワイにおいては一般的なチューニングではなかったんだ。そこで、少しチューニングの話をしてみることにしようか‥・
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そもそもギターがハワイに渡来したのは今からさかのぼること170年ほど前。
当時のハワイはまだ王政の時代で、カメハメハIII世の統治の頃、ハワイ島北西部一帯に放牧していた牛がいつの間にか増えてしまい、手に負えなくなった王はメキシコから牛を扱うことのできるカウボーイたち(イスパニョール・ヴァケーロス=いつしかハワイの人たちは彼らのことをパニオロと呼ぶようになり、今でもカウボーイのことをこう呼んでいる)を呼び寄せた。
そのパニオロたちが自分たちのハワイでの仕事が終わって、再び故郷に帰っていってしまった後に、彼らの置き土産としてメキシコから持ってきたギターを残していったんだ…と、ココまでがハワイでのギター伝来の話なのだけど、その後が実は困ったことになる。
せっかくメキシカン・カウボーイたちの好意によって手にしたギターだったが、肝心要のチューニングをしっかりと教えてもらうことを忘れてしまったんだ。そこで、まずギターのペグ(弦巻き)をくるくる回しては適当な音のところにセットして、次の弦も同じように適当な音にセット・‥と6弦までランダムに音の羅列をしては、また異なった音の羅列、といったように何度も何度も同じことを繰り返しているうちに、とうとうハワイの人にピタリと合ったチューニングを発見したんだね。
それも沢山の人がそれぞれに考えていただけの沢山の数のチューニングがね。その数があまりにも多いので、それぞれのチューニングにそれぞれの名前を自然に付けて呼ぶようになったのも面白いところだけど。
たとえば、今ではスラック・キー・チューニングの代表的なGチューニングというのがあるが、これを別名タロ・パッチ(タロ芋畑)チューニングと呼んだりしているようにね…。
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今でもこのチューニングの数が一体全体どれぐらいあるのかハッキリとしていないんだ。
なぜハッキリとしていないかというと、このスラック・キー・ギターはごくごく最近(70年代)までシークレットの部分が大変多く、特にチューニング、奏法に関しては秘伝中の秘伝ということで、実体すらよくわからなかったほどなんだ。当然総数などハッキリとはわからないが、少なくとも現在でも百以上は残っていると思われているんだ。もちろん一人の人が百以上ものチューニングを使うわけではなく、一人が数種類のチューニングを使うというのが普通なんだよ」
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「でも、なぜそんなに沢山のチューニングが必要なのかなぁ?」
「そう!スラック・キーの大きな特徴のひとつがチューニングと言ったけど、それぞれのチューニングが必要なのは、そのチューニングでしか弾けない曲をハワイの人が考え出したこと、もう一つはそのチューニングでしか出せないハーモニーがあるからなんだ。したがって、チューニングはスラック・キーにとって大事な要素のひとつと言うことになる理由だね」
「うん、なんだかわかってきたような気がするよ」
「そして、チューニングができたら、いよいよギターを弾くことになるのだけど、ホラ、チューニングが人によってバラバラだろう。だから、弾き方もバラバラと言うことになる。たとえば私の師であるレイ・カーネなどのスタイルはナヘナヘ(Sweetの意)・スタイルと言って、とてもソフトな弾き方なんだ。それはハワイの穏やかな海の波や、心地よい風を表現しているんだ。と思うとパニオロたちのように土臭い、荒々しい奏法というのもあったりするし、チューニングの数だけ奏法もあると言っても過言ではないかな」
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「じゃあ、最後にもう一つ、いったいいつからシークレットだったスラック・キー・ギターがハワイで一般的になってきたんですか?」
「その答えは、一人の偉人なミュージシャンの登場で一変することになる。その人の名はギヤビー・パヒヌイ(1980年没)。彼が70年に作った彼自身のバンドの大ヒットによってハワイの若者たちがスラック・キー・サウンドに酔い、スラック・キーに目覚める大きなキッカケとなったんだ。それからは、若者たちを中心に、どんどんとスラック・キー人口が増え、今回に至っているというわけ。
そして今のハワイ音楽において、スラック・キー・ギターは無くてはならないものになっているんだ。そうそう!言い忘れたけど、スラッタ・キー・ギター・と呼ばれるようになったのは、スラック・キー・ギターが誕生してだいぶ後になってからのことなんだ。ちなみにスラックとは緩めるということ、キーは調子のことで、キー(弦)を緩めて心身ともにリラックスした状態でスラック・キーを弾くのが最高である、と言う真髄をついた言葉でもあるんだ」。
* 「ウクレレブック UKULELEBOOK」
(発行:有限会社 エス・アンド・エイチ 発売:株式会社シンコー・ミュージック)より転載
タロパッチ・・・
上記で述べられてます、Gチューニング(タロパッチ)をもう少詳しく説明しておきましょう。
一般的にスタンダード・チューニングと呼ばれているチューニングは、6弦から"EADGBE"となっており、開放弦で鳴らした場合は、実に不気味な音がします。
このスタンダード・チューニングの1,5,6弦をそれぞれゆるめて、1音ずつ低い音に合わせます。
つまり6弦から"DGDGBD"のチューニングにするわけです。
この状態で開放弦を弾くと、不思議や不思議、なんとも言えない、嘘のようなきれいなハーモニーを奏でてくれるのです。
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